読書レビュー...「西の魔女が死んだ」
こんにちは、レモンです。
帰るとき、家にいるとき、外が暑くなってきたこともあって、だんだん本を読む回数が増えてきました。
なので、読書レビューをしよう!...と思ったのですが、が!
この頃、読んでいるのがフランシス・フィッツジェラルドの「華麗なるギャッツビー」
と、綾辻行人さんの「Another」だけなんですよね...。
どちらも結構長い物語なので、読み終わるのはまだまだ先になりそうです。(泣)
というわけで、今回の読書レビューは最近読み直しした本。
*「西の魔女が死んだ」のネタバレがあります。ご注意ください。
まいという女の子が、喘息の治療や不登校のため、おばあちゃんの家に来ます。
おばあちゃんは「イギリスの魔女」でした。
魔女と言っても、薬を作ったり、箒に乗るのではありません。
そんなおばあちゃんが、学校で周りと関わるのを避けていて、不登校になってしまったまいにいいます。
「悪魔を防ぐためにも、魔女になるためにも、一番大切なのは、意志の力。」
ーー という作品です。
まず、この作品の素敵なところ。
とにかく描写がきれいな作品です。
一度、友達に「きれいな作品」について聞かれたときに、迷わずこれを答えていました。
一例を上げると、
「畑は月桂樹の木の向こう側にある。畑に入ると、足が柔らかい土にめり込んだ。雑草だらけの畑だ。露で膝まで濡れた。」
とか。
おばあちゃんの存在感と、そして静かに森の中で続いていくきれいな描写。
レモンの先生が、「本には2種類ある。ドラマティックに描いていく本と、静かに描いていく本だ。」とおっしゃっていて、
静かに描いていく本の例として小川洋子さんの「博士の愛した数式」を上げていました。
でも、レモンの中では「西の魔女が死んだ」の印象が強すぎて、読んだときはこの作品の静かな世界観にずっと浸っていたい、と思いました。
その世界観を描いているのは、もちろん描写の美しさもあるでしょう。
ですが、その他におばあちゃんが住んでいるのが山っぽい所、ということもあるかもしれません。
この作品で、「都会」が持つイメージは、「いじめ」「無視」「秩序」。
主人公のまいが学校でそういう環境に置かれていました。
ですが、そのまいが訪れたのは「学校などが含まれた都会」ではなく、「自然があふれる山」です。
今までの生活から一層離れている生活を送っているからか、おばあちゃんとまいの生活がものすごく神聖なもののように感じられます。
そして、最後のシーンで、ゲンジさんがまいに差し出した草。
その草と、窓に残されている言葉が、あの山一体の生活や、まい、ゲンジさん、その他の人々との交流。
それらがすべて終わるような気がして、静かな物語の静かな終了でした。
そこから、まいがどういう未来を送っていきたいのか、ゲンジさんがどういう人生を送っていくのか、とても興味があります。
続編が出ないものかな...。
と、ここまでです。
「西の魔女が死んだ」、ぜひ読んでみてください。映画にもなっています。
本の中に登場する花とかを全部見てみたい...!
特に、ジャムづくりのシーンが印象に残っているので、いつかそのような経験をしてみたいです。
東京で生まれたので、基本都会っぽさが好きなのですが、
このような世界観が大好きです。
他にも、こういう世界観の物語がないでしょうか...。
家にあるので、度々再読をしていきたいです!